ライバル車比較
レクサス新型LS、購入するか否かは別にしても、いろいろと比較したくなる車種があります。
そこでライバル車との比較!
まずは国産車……なのですが、レクサスLSは国産で唯一、V8エンジンを搭載しているという最大の特徴があり、この点でライバルは不在です。そこで拡大して、各ブランドのヒエラルキーをもとに考えると、「日産シーマ」しか見当たらないのが現状です。
しかし現行のシーマは、実はフーガを改造したもの。とくに法人需要からシーマ復活の声が高く、フーガハイブリッドをロングホイールベース化、さらに装備を豪華にしたものというので……成り立ちからいって本気で開発したLSのライバルというのもちょっと役不足かもしれません。流用なぶんだけ、価格は安いのですが、見た目もフーガそのままです。
レクサス LS 600h | 日産 シーマ |
レクサスLS | シーマ | |
---|---|---|
価格帯 | 830~1,550万円 | 735~840万円 |
エンジン | V型8気筒(460) V型8気筒+モーター |
V型6気筒+モーター |
排気量 | 4,608cc(460) 4,968cc(600h) |
3,498cc |
ハイブリッド | 無し(460) 有り(600h) |
有り |
燃費(JC08モード) | 7.7~8.4km/L(460) 11.6km/L(600h) |
16.6km/L |
vs メルセデス・ベンツ
そんな国内無敵のレクサスLSですが、世界に目を向けると当然おります、ライバルたちが。
まずは高級車の代名詞、メルセデス・ベンツ。こちらには最上級フラッグシップセダン「Sクラス」があるが、現時点(2013年1月)ではもうモデル末期。かつ、微妙に排気量やサイズがでっかいうえに輸入車だけあって金額が1クラス上になる。そこで、買うことを前提に、現実的に比較したいのは「Eクラス」ではないだろうか。こちらも1月に本国でマイナーチェンジしたばかりばかりだが、同じV8エンジン搭載の「E550」が近い。
レクサスLS600h | メルセデス・ベンツ E550 BlueEFFICIENCY AVANTGARDE |
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価格帯 | 1,050~1,550万円 | 1,120万円 |
サイズ (全長x全幅x全高 mm) |
5,090×1,875×1,465-75(LS600h) 5,210×1,875×1,465-75(LS600hL) |
4,870×1,855×1,455 |
エンジン | V型8気筒+モーター | V型8気筒ツインターボ |
排気量 | 4,968cc | 4,663cc |
出力 | 394ps(290kW)/6,400rpm + 224ps(165kW)モーター 統合=445ps(327kW) |
408ps(300kW)/5,000-5,750rpm |
トルク | 53.0kgfm(520Nm)/4,000rpm + 30.6kgfm(300Nm)モーター |
61.2kgfm(600)/1,600-4,750rpm |
ハイブリッド | 有り | 無し |
燃費(JC08モード) | 11.6km/L(600h) | 8.4km/L |
価格的にはLS600hとほぼ互角。レザーシート+助手席ラグジュアリー仕様である“versionC・l package”が1,115万円、走りの“F SPORT”が1,230万円なので、このどちらかとの勝負になります。
サイズ的には、Eクラスは一回り小さいですね。同じ金額で、ベンツマークが付くと一回り小さいクルマになってしまうのです。
エンジン性能はほぼ互角ですが、Eクラスはツインターボを採用しており、明らかに燃費が犠牲になっています。そしてこのため、減税の対象外になってしまい、性能に対する価格という面でも、LSのお得感はさらに際立ちます。
そしてもうひとつ重要なのが、インテリアなどの質感。これも、「最高級」を標榜に手間暇を惜しまずにしつらえたレクサス最高峰のものと比較すると、Eクラスには残念ながらラグジュアリー感が足りません。パネルやシートを見て、触れるとすぐにわかるのですが、高級な感じがあまりしません。余裕を醸し出すレクサスの「高級感」と、道具であることを突き詰めたメルセデスの「高級感」の捉え方の違いなのかもしれません。
もちろん、走りに関して言えば、速度無制限区間もあるアウトバーンを走ることまで想定されているメルセデスの方が上なのは明らかです。ですが日本の道路で走る以上、200km/h以上の安定性を求めても意味はなく、むしろ普段使いの速度域での乗り心地重視であるLSのほうが好ましいといえるかもしれません。
ちなみに、Eクラスのマイナーチェンジ版はまだ日本に導入されていないので、その前のモデルですが、見た目とあとは小さな仕様変更ばかりなのでそう違いはないでしょう。
参考までに、フルモデルチェンジ中の「Sクラス」のサイズは、V8 4.6Lを搭載した「S550」で5,100×1,870×1,485とほぼ同じ。金額は1,385万円。これが4MATICという四駆になると1,595万円と、LS600hLのエクスクルーシブ仕様、要するに後席居住性重視の最高級ハイヤー仕様と同額まで跳ね上がることに。エコカーとしての取得税や重量税の減税を考えると、グレードによりますが50万円以上の差がさらに開くのです。
この2台の対比は、最終的には、ラグジュアリーカーのオーナーにどれだけの歓びを与えられるかという点にかかります。とくに外に対しての威力であれば、やはりベンツマークの威光は、レクサスのものよりも格段に上でしょう。
しかし、レクサスの営業努力の甲斐もあり、以前よりもずっと認知度が高まっており、その差は徐々に縮まりつつあります。